1月24日(木)、日本共産党横浜市会議員団(9人)は、林文子市長宛てに、寿町簡易宿泊所の火災死亡事故を繰り返さないための対策を求める申し入れを行いました。
申し入れには、田中博章健康福祉局長ら3人が対応しました。
要介護度の高い人が犠牲に
1月4日早朝、中区寿町4丁目の10階建て簡易宿泊所「扇荘別館」の5階からの出火で、60代男性と80代女性が死亡し、8名(重症1名、中等症5名、軽症2名)が負傷しました。
私は、1月4日、火災があったとの住民の方からの訴えがあり、直ちに現場に行きました。火事があった階の窓枠の外側の壁が真っ黒になっていて、亡くなった方の苦しみを思い、胸が苦しくなりました。
亡くなった60代男性は、生活保護利用者で、要介護度が高い方(中区役所説明)です。哀悼の意を表します。
今回の火災ではエレベーターが停止、自力では避難できない高齢者がベランダや屋上で救出を待つ事態も生じています。
背景にある問題 「簡宿」の住居化 介護施設基準外
申し入れでは、今回の悲惨な事故の背景には、住居ではない「簡易宿泊所」が、生活保護を利用する介護が必要な高齢者の居住施設・入所施設となっていること、しかも行政がそれを認知し、簡易宿泊所に福祉施設と同等の機能を期待しながら、その管理体制と設備基準は介護施設ではなく「旅館業法」でよしとしていることの問題を指摘。
当該の建物自体は、旅館業法、消防法の設備基準は満たしていましたが、亡くなった60代男性は介護度が高く、自力避難ができず逃げ遅れた可能性があります。
かりに数十人が入所する老人ホームなら、スプリンクーラーが設置されます。
複数の職員体制による24時間対応となります。当然のこととして避難訓練も繰り返し行われます。
今回の施設でも、避難訓練は行われていましたが、車いす利用者を他の利用者が押すなどしての訓練だったと利用者の方から伺いました。
今回の火災では、管理人が配置されていましたが、一人では高齢で要介護や障害者が多く占める140人もの入居者の避難誘導には限界があり、既述のような事態を招来しています。スプリンクーラーも未設置です。
安全な生活の確保は行政責任
住民の安全な生活を確保することは行政の責任です。
住民や関係者の合意と納得のもと速やかに、要介護単身高齢者が寿町地区の簡易宿泊所を住居としている実態について、現状を固定することなく、人の住まいにふさわしい対策をとり、犠牲を繰り返さないことを申し入れました。
田中健康福祉局長は、「急な対応は難しいが、対策を検討する」と答えました。