-5/6まで国がパブリックコメント募集-
国土交通省は、上瀬谷通信基地跡地の花博(国際園芸博覧会)計画に対するパブリックコメントを募集している。募集期間は、4月19日から5月6日までのわずか2週間。
参加者1500万人・運営費360億円を想定
30年前のバブル期の大阪花博がモデル
「横浜国際園芸博覧会具体化検討会」報告書(案)の博覧会「計画書」では、博覧会は、旧上瀬谷通信施設約100㌶を会場として、2027年3月から9月まで開催の予定。参加者数は1500万人(うち有料来場者数1000万人以上)とし、「幸せを創る明日の風景」をテーマに、会場内に様々な風景を展開するとし、会場建設費320億円、運営費360億円としている。
この建設費は、1990年の大阪花博(140㌶)の建設費を参考にして算出している。横浜の花博会場がどのようなものとなるのか全く見えていない中で、建設費を設定するという乱暴なものだ。
この建設費を賄うのは、国、地方自治体(横浜市・神奈川県)、民間と横浜市は皮算用しているが、神奈川県との話し合いは全くなされていないに等しい状況。そして、今年6月には閣議了解を行うとしている。
参加者1500万人の設定は、これまでの各地の博覧会の実績からとしているが、何よりもそのうちで有料入場者数を1000万人と設定したやり方は疑問。大坂花博の実績から算出した運営費360億円を賄うためには、何人の入場者が必要かという机上の計算で出したもの。
大阪花博の入場者数実績は2300万人。バブルのさ中であり、参考とするにしても慎重の上にも慎重でなければならない。
これらの数値設定の仕方では、国際園芸博覧会の本質である生きものや生命への敬意とあいまって、友好平和の力強いメッセージを発信する場、大都市横浜における農と緑の共存モデルとするとした本来の目的から逸脱することになってしまうのではないだろうか。
不透明な上瀬谷ライン
透ける巨大テーマパーク誘致の願望
花博計画には、参加者などの輸送計画の柱に、「新たな交通システム」がある。しかし、事業主体は決まらず、採算性も示されず、始発駅の位置さえ決まっていない。 現在の試算でも建設費用は700億円かかると言われている。もともと新交通システムは、上瀬谷通信基地跡地に巨大なテーマパークが進出することが絶対条件になっていた。巨大テーマパーク進出については、公有地の使い方として相応しいのか、市民合意は得られていない。市民そっちのけで国と一緒に突っ走っている。
ぜひパブリックコメントに声を寄せてください。
「横浜国際園芸博覧会具体化検討会」報告書(案)の概要と全文は、右のQRコードを読み取るか、下記ホームページに掲載されています。ご覧ください。
https://public-comment.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=155210404&Mode=0