横浜市会は2月9日、現年度議案関連質疑が行われました。
日本共産党を代表し、宇佐美さやか議員(神奈川区選出)がコロナ対策の更なる強化、個人情報保護条例の改定などについて、山中竹春市長に質問しました。
コロナ対策の総点検・検証を行い爆発的感染に見合う対策を
コロナ感染拡大の影響が直撃している市内医療機関から、「発熱外来は検査キット、試薬不足で受け入れを制限している」「感染のリスクが格段に上がり人手と手間がかかる」「体制を厚くしたいが経営的に厳しい」などの悲痛な声が寄せられています。
救急搬送困難件数は1月3日の週が125件から、1月31日の週は344件と約3倍に増えました。
保育所、学校、高齢者施設、病院でのクラスター発生も相次いでいます。
宇佐美議員は、ワクチン接種の遅れや検査体制の脆弱性など、多くは国の責任ではあるが、本市の対策も立て直すことが切実に求められていると述べ、対策の総点検、検証が急務だと主張。検査体制の拡充、医療・保健所の体制強化、補償と生活支援など包括的な対策と、市長自身がSNSなどを活用し直接市民へ、感染症に関する情報の発信を行うことを要望しました。
山中市長は、
「現在の爆発的な感染拡大の渦中にあっては限りある医療資源を集中させて、目前の悪化する患者の命と健康を守ることが最も重要。そのため重症化リスクのある方への療養支援を優先に実施している。なお、今回の補正予算では感染拡大の防止及び医療提供体制の強化とともに、小児及び高齢者へのワクチン接種の加速化に注力していく」
と答弁しました。
市独自の個人情報の保護規定を設けよ
昨年成立した国による「デジタル」関連法改定に基づき、各自治体がこれまで策定していた個人情報保護条例が個人情報保護法に一本化されます。
現在、自治体が独自に個人情報を保護していた措置が取り払われ、保護水準の後退を招く恐れがあります。
宇佐美議員は、市の条例には「個人情報を収集する際には、法令の定めがある場合を除き、本人から収集しなければならない」「思想、信条及び宗教に関する個人情報並びに社会的差別の原因となるおそれがある個人情報は、法令等の定めがある場合や公益上特に必要があると認める場合を除き収集してはならない」などと規定されているが、国の法にはないと指摘。
国は自治体が「必要最低限の独自の保護処置」を制定することを認めていると述べ、来年までに行う条例改定の検討状況などについて質問しました。
市長は「3月頃に公表される国のガイドラインの内容を確認した上で、独自の保護処置が必要か否か検討していく」と答弁しました。