今日、夕刻に栄区上郷猿田地区における開発断念が明らかになりました。
【上郷深田遺跡を含む上郷猿田地区】
横浜市が平成26年(2014年)1月17日に受理していた、東急建設株式会社から提案されていた栄区上郷猿田地区における都市計画提案は、貴重な生態系や自然が残されており、飛鳥時代から平安時代にかけて製鉄所だった上郷深田遺跡もふくんでいます。
(みわ智恵美の上郷深田遺跡の質問はこちらから)
http://www.jcp-yokohama.com/archives/25465
住民は広範な市民と共に自然を守れ、遺跡を生かせと運動を続けてきました。
私たち日本共産党横浜市会議員団は、住民のみなさんの署名運動にも参加し、また、2014年の都市計画提案に対する説明会・公聴会にも参加して、住民のみなさんと一緒に声をあげてきました。
【都市計画提案説明会・公聴会の資料】
そして、私たちは、2015年には、上郷猿田地区開発計画提案の都市計画手続きを中止し、「評価」をやり直して開発不許可とするよう、林市長あてに申し入れました。
環境保全を求める署名数が11万筆にも上りましたが、この圧倒的多数の市民意見を無視して、営利を目的とする開発事業者の提案をほぼそのまま容認した判断に対して厳しく抗議しました。
内容不明の建設廃材も含まれていると言われている盛土の上にさらに10m以上も盛土をするという危険極まりない新たな大規模盛土を形成するものであること、蛍が飛び交う沼地は水の流れが絶えない不安定な地盤であること、さらに、ここが開発されれば、ゲリラ豪雨などを受け止めていた自然環境が無くなり、環状4号線付近に大雨が流れ込む危険性が高くなります。
また、国は、少子・高齢化と人口減少社会の到来という避けがたい社会状況を勘案して、国土利用計画や都市づくりについて、「市街地の縮小」「環境や緑・生態系の保全・拡大」「インフラの保全」等の基本方針を示しています。
【都計審で出された地区計画案(地区の施設)】
ところが、2018年1月15日、大勢の市民が傍聴する中で、横浜市都市計画審議会では「立地特性を生かし、商業・医療・福祉施設等の用途を誘導し、円海山周辺緑地への連続性と生物多様性に配慮した緑豊かで周辺環境と調和する良好な景観を有する市街地を形成するとともに、円海山周辺緑地へ向かう玄関口としてふさわしい土地利用を行うため、地区計画を決定します。」としました。怒りの声が猛烈に沸き起こりました。
都計審で決定した上のA~Cに当てはまる【建築物等の整備の方針】
しかし、その後、ボーリング調査が再度されることになりました。議会で、私たちが軟弱地盤であることや盛土オン盛土の酷い開発であることを告発し、市民は議会のたびに、水害誘発や、土砂災害の危険性を指摘する請願陳情を繰り返していました。これらの動きが、再度のボーリング調査へと動かしたと確信しています。
そして、何年もの間いっこうに開発許可申請がされないでいました。
いよいよ開発に向けてというように上郷深田の製鐵遺跡の試掘調査は行われたけれど、本格調査も行われない。
そして、本日3月1日、予算特別委員会の審査が終わって、共産党の議員室に戻ってくると、都市整備局の担当の方から
「栄区上郷猿田地区における開発は事業者が断念されました」と伝えられました。粘り強く開発の不当性を告発し、署名を集め、議会陳情、都計審膨張と頑張りぬいた住民運動の勝利だ!と、議員団で声を掛け合いました。
カジノを止めたけれど、上郷深田の森の開発もだと感激です。
市民が動くって本当に凄いです。私たちも市民とともに粘り強く頑張ったと思います。
いよいよ、上郷深田遺跡を守り生かすために奮闘しなくてはと決意を新たにしました。