みわ智恵美

三輪 ちえみ
日本共産党横浜市会議員
駆けある記

生徒数が増えている中で、北綱島特別支援学校の存続を–④決算特別委員会[教育委員会]

2015年10月16日

みわ:横浜市の肢体不自由児の特別支援学校は、養護学校義務化より前に、PA130008重度重複障害を持つ子どもたちの就学を全国に先駆けて進めてきたと伺っています。

その理念について伺います。

岡田教育長:本市では、昭和54年の養護学校の義務化以前の昭和44年から、就学免除で学校教育を受けられなかった重度重複障害児に家庭や施設への訪問指導というかたちで教育を行ってまいりました。

しかし、教師と一対一の指導だけでは子どもたち同士の関わりあいや集団での学習が経験できないことから、昭和47年には南区PA130006_thumb.jpgの中村小学校の特殊学級への通学による指導を始めました。こうした経緯をふまえまして、昭和49年には肢体不自由のある子どもたちにも小中学校に準じた教育の場をつくるため、上菅田養護学校を設置し、さらに在宅の重度重複障害児に学校への通学を保障したいとの思いから、肢体不自由養護学校を小学校4校の敷地内に設置してきたものであります。

みわ:保護者の方々の思いに本当に応えた横浜市の誇るべき教育だというふうに思います。
肢体不自由特別支援学校の設立当初の児童生徒数と、現在どうなっているか、伺います。

長谷川指導部長:まず、上菅田特別支援学校は、教育委員会として正確な把握できている昭和51年の98人に対して、平成27年5月現在の在籍児童・生徒数は225人です。

中村特別支援学校は、設立当初の46人に対して、現在は76人。

北綱島特別支援学校は、現在の場所に移った平成7年の39人に対して、現在は81人。東俣野特別支援学校は、設立当初の21人に対して、現在は42人。

若葉台特別支援学校は、現在の場所に移った平成25年の64人に対して、現在は66人です。

みわ:児童・生徒数が本当に増えていて、どの学校も過大規模となっているなあと感じます。この問題に対して、市教育委員会が計画している肢体不自由特別支援学校の再編整備について、伺います。

岡田教育長:これまで児童・生徒の過大規模化につきましては、中村特別支援学校と東俣野特別支援学校は併設の小学校の空き教室を改修するなど、児童・生徒の増加に対応してまいりました。

一方、軽度を対象とする上菅田特別支援学校は、特別教室を普通教室に改修し、児童・生徒の増加に対応してきましたが、過大規模化への対応が十分ではありません。さらに、市内全域から児童・生徒が通っていることから、通学時間の長時間化などの課題があります。

また、北綱島特別支援学校は、敷地内に空きスペースがなく、建物の構造上においても増築ができないため、児童・生徒の増加への対応が困難な状況となっております。これらの状況を改善するために再編整備計画をつくり、実施に向けて準備を始めたところです。

教育委員会スライド2みわ:このスライド(スライド2)をご覧ください。

赤い四角は横浜市の学校、赤い丸は今後できる予定の市の学校。青い四角は県立で、青い丸は建設予定の県立学校です。

教育委員会が、旭区や青葉区に新たな学校ができるからということで、北綱島特別支援学校の閉校を考えるということが新聞でも報道されておりましたし、私たちも説明を受けておりますが、全く理解できません。
教育委員会スライド3次のスライド(スライド3)をご覧ください。

これは、都筑区、港北区,鶴見区,神奈川区から子どもたちが通っている北綱島特別支援学校がなくなったことを想定した図です。

ここで、都筑、港北,鶴見区の小学校児童数の今後の推移について伺います。

長谷川指導部長:平成27年度義務教育人口推計表によりますと、27年5月時点での鶴見区の小学校の児童・生徒数1万3,395人に対して、5年後の32年には1万4,447人と、約1,000人の増加が見込まれます。

港北区は、27年の1万5,553人に対して、5年後の32年は1万7,029人と、約1,500人の増加が見込まれます。

都筑区は、27年の1万4,174人に対して、5年後の32年には1万3,770人と、約400人の減少が見込まれます。

みわ:そこを合わせますと、明らかに児童数の増加が見込まれる地域で、学校をなくすなど到底理解できません。

この地域で果たしている北綱島特別支援学校の交流教育、そして地域支援活動について、紹介してください。

長谷川指導部長:北綱島特別支援学校では、併設している北綱島小学校と年間を通じて交流活動を展開しております。

たとえば、運動会などは合同に行ったり、また総合的な学習の時間の中など北綱島小学校の子どもたちが特別支援学校の方に赴いて子どもたちと一緒に活動するような取り組みも行っております。

みわ:地域支援活動について、述べてください。

長谷川指導部長:地域支援活動ですけれども、地域の方々とも行事等の中で交流を深めているというふうに聞いております。

みわ:対象にあげているのですから、どういう役割を果たしているのかは、しっかりと考えていただきたいと思うんですが。

地域の障害児教育のセンター機能、やってますよね。

それから、近隣地域の家庭への支援、相談活動、障害児に関するボランティアの育成拠点となっています。

子どもたちを温かく見守り応援していただいた地域のみなさんとともにある学校です。
次のスライド(スライド4)をご覧ください。

この地図は学校に貼ってあったので、写真を撮らせていただき、子どもたちがだいたいどの辺りから来ているのかを地図に落としたのが、次のスライド(スライド5)です。
このスライド(スライド6)をご覧ください。

これは、北綱島特別支援学校がなくなった時を想定した地図です。

今後、子どもが増えていくこの地域で、学校をなくすことが許されるのでしょうか。これまでに北綱島特別支援学校で2回保護者説明会をしていますが、どのような声が出されているでしょうか。

長谷川指導部長:今まで2回の保護者説明会を行ってまいりました。

保護者の方たちの声の中には、やはり北綱島特別支援学校の、特に重度のお子さんをお持ちのご家庭については、やはりそういう子どもたちのケアを含めて、他の学校に移ることによって距離が遠くなったりとか、あるいは医療的ケアが今後どうなるのかとか、そういう問題で、非常に不安の声がございました。

われわれ教育委員会といたしましても、そういう個々のケースに対しては、今後やはりきちんと対応していくように進めていきたいと考えております。

みわ:個々のっていうのは、一人ひとり迫られて、三者面談とか一対一とかになったら、教育委員会になかなかものを言えないんじゃないでしょうか。

バス乗車がこれまで以上に長くなるのは命に危険がおよぶ。

バスには乗れないので在宅で訪問を受けるようになる。

ここで積み上げ、安心して通っているのに、どうして行けなくなるのかなど、命に関わる不安と怒りが出されていたと伺っております。
スライド(スライド7)ご覧ください。

副市長に伺います。今回の再編整備のやり方は、まさに教育のリストラ・合理化です。もっとも弱い、自らは声をあげることのできない子どもたちを犠牲にするやり方です。

オール横浜で進める教育は、子どもの命第一に考え、豊かで安心できる教育に、これまでの障害児教育にかけてきた横浜の歴史に恥じることのない方向で進めるべきではないでしょうか。

この地図にあるように、きちんと地域の学校として存続するべきではないかと考えますが、見解を伺います。

柏崎副市長:今回の再編整備計画は、将来に向けましても、やはり肢体不自由児のみなさまの教育をめぐる環境をよりよくしていこうということのために必要な再整備だということで、私ども計画をたてまして、現在ご説明を始めたところでございます。そういう中で、当然設置義務のある県との調整などを行いまして、県の特別支援学校の機能というものも十分全体として勘案しながら、居住地によりまして学校を指定するというようなことも取り組んでまいりたいというふうに思っております。いずれにいたしましても、引き続き保護者のみなさまや地域のみなさまには出来る限り丁寧にご説明をしながら進めてまいりたいというふうに考えてございます。

みわ:結局、進めていくのを理解していただくということだけじゃないでしょうか。過大規模化の中で、当然学校をつくるというのは当然だと思います。この上菅田特別支援学校が、つくった時から考えても200%ぐらいな事態なので、こちらに左近山特別支援学校をつくるということは、当然のことだというふうに思います。今、鶴見区市場小学校や中区本町小学校でも、過大規模化の中で学校を増設する計画と伺っています。大切な教育財産である学校をなくすことなく、地域の本当に拠点として機能している学校をなくさないように、智恵をつくし、子どもたちのために再編ができるよう、改めて見解を伺います。

岡田教育長:今後は全ての肢体不自由支援学校で軽度から重度までの幅広い児童・生徒を受け入れて、スクールバスでの通学時間の長時間化を解消し、教育環境や教育活動の充実を図っていきます。そのために、全体の再編整備計画をたてているものですので、ご心配の点は十分配慮しながら進めてまいります。

みわ:全ての子どもにという名のもとに進める教育の合理化としか到底考えられません。本当に子どもたちの命を第一に考えた教育をということを最後に申し上げて、質問を終わります。


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