2日目は、大阪市水上消防署。
視察に当たっての関心は、横浜市には、水上の消防艇があるが署の配置はないので、大阪における水上消防署の利点。
大阪市では、長年設置されてきたし、その歴史は古い。
また、海上保安庁との連携や、石油コンビナート火災における役割についても調査したいと思った。
海保とは覚え書きを交わしているということ。第1橋梁までが海という仕分けで、洋上火災は海保だ。
石油コンビナートでの火災は、一義的にはコンビナートの自衛消防での対応が義務付けられており、消防は日常的には、合同での訓練に取り組んでいるということだ。
ただ、此花地域で工場火災があった際には、窒息消火をしなければならない場面で、消防挺の泡消火機能の威力が水圧がすごいので、鎮火に威力を発揮した。
また、そこで活躍した「まいしま」には、救急車と同じ装備が備えられている。
大阪市は石油コンビナートへの立ち入り権限を有しているので、どのように地上の消防署と連携がされるのか、気になるところであったが、災害時の対応では違いがないようだった。
藤田消防署長より室戸台風第1第2、ジェーン台風によって、水上消防署は、大変な被害にあったとのお話だった。現在は高波などが予想される場合は、避難をするということだ。
明治時代の水上消防屯所からの出発という歴史がある水上消防署は、1948年に府から市へと移管されている。
現在のちょっと目立つデザインの庁舎は1999年完成。
田島企画課長より大阪市の現状が説明された。
単身高齢者多く、救急の出場は多くなっている。
横浜市よりも地震時に火災発生の危険度が高い住宅密集地域は、大阪市が広い。対応するために、小型タンク車、ナビゲーションシステムも備えた。
火災出場の減少は、消防設備の充実や、燃えない構造への対応などが増えた。
救急出場は、今年の猛暑で増加したが、特に985件あった7月23日は、過去最高記録。今後も増えると考えている。気候変動と高齢化で。
災害救助件数も多くなっている。
水上署には、女性消防隊員3名で、うち一人が「ゆうなぎ」船長。
ゆうなぎは、橋の下をくぐっていける。道頓堀の橋のしたまで行ける。
普通の高さから、レーダーを倒し、
部屋も屋根を下げて
挺そのものの高さを低くできる造りとなっているのを体験。
もっとも下げて、天井の穴から顔を出して片手で操縦するとのこと。
どこまでも川を上りまっせ!というところだ。
阪神淡路大震災では、高速道路も含めて地上の道路が寸断されて、物資が送れない中、消防挺が力を発揮した。
寒い冬の西風の強い大変な時期であったが、消防隊員は懸命に取り組んだというお話をうかがい、危険と隣り合わせの困難な任務に立ち向かわれた皆さんの姿が見えるようだった。
視察をして
さて、横浜は消防署の出張所のひとつとして、水上所がある。
署であることの意味については、大阪は歴史上の位置付けがはじめからあるわけで、横浜に当てはめるにあたっては、改めての研究課題である。
水難訓練の実施を見せていただいたが、役割が大きいと思った。
一瞬一瞬が、市民の命を守る業務の中、対応していただきありがとうございました。