基調報告の後は、講演が2本。まずはメディアから読み取る「生活保護と子どもの貧困」でお話しくださったのは、漫画家のさいきまこ氏。
①「生活保護」「貧困」を漫画で描くようになった理由は、
自分の困窮の発見ー自立しようとしたとき35歳過ぎの女性にまともな仕事はないということから。不正受給ではない芸能人の母親へのバッシング。生活保護は怠け者が不正をしているという考え方。全国で、家族での孤独死が相次いだ。20人以上もの人が孤立死ということ。しかも餓死や凍死。
国民年金50,862円ではくらせない。ここに生保で行きていける。
②「生活保護」から「子どもの貧困」へ
貧困のこどもは、生保を受けていない。しかも家計は苦しい。
貧困は自己責任なのか。東京新聞の論説委員が取り上げた一通のメール。午前4時半の少女。
「うつ病の母で、家がゴミだらけ。私は専門学校に行かずに働けってこと?」本来ならば保護されるべき子が親のために犠牲になるのか。親が貧しいなら子どもが面倒を見ろというのであれば、貧しさからは決して抜けられない。
メディアの報道は、生活保護制度への誤解を広めるケースもある。
③「貧困」といえば「生活保護」?
生活保護制度の利用率が極端に低い日本。要件を満たしていて、制度を利用していない世帯が4倍あると言われている。
日本1.6%、ドイツ9.7%、フランス5.7%、イギリス9.27%、スウェーデン4.5%。
周囲の厳しい目線から、死と隣り合わせのような生活でも生活保護申請をためらう。そこに役所の不当な対応、水際作戦。
1、制度のあり方が誤って伝わる。本当に救済の手だてはないのか。
2、「極貧」でなければ貧困でない、という思い込みを招く。
NHKニュース7「子どもの貧困 学生たちがみずから訴える」とした報道に、激しいバッシング「貧しくない」との批判がネット上で渦巻いたのだ。
その社会において、平均的なくらしを送ることができていないことを指す「相対的貧困」について取り上げたものだ。
神奈川県子ども家庭課は「子どもたちはスマートフォンだって持っている、着るものもある。飢餓状態にいるわけではないが、修学旅行に行けなかったり、大学に行けなかったりして、将来をあきらめている。そういう見えにくい貧困の現状『相対的貧困』を伝えるためのイベントで大成功だったのに、バッシングはショックだった。「見た目が変わらないから、貧困じゃない』と、問題そのものが理解されず、現実も伝わらなかった、相対的貧困が社会に理解されていないことが露呈した」と話している。
そもそもが、いいかげんな、取材もしていない書き手によるねつ造とも言える記事掲載で起きた事だが、相対的貧困に対する認識がなかったわけだ。
④自己責任論の根底にあるものは何か
・無意識の差別をはらむ「市民感覚」
・子どもの親の「世話をしろ」という社会
・精神疾患の親の面倒を見ろと言われた小学生
「これまであった人は、1人残らず言いました。親の面倒はあなたがみて上げるんだよ、と。親戚の人も、近所の人も、学校の先生も」(生活保護利用・母子世帯の高校生)
・警察にまで行った中学生を突き放す社会
「どんなに苦しい中にいても、世間は無責任だとみるんです。母親が家の中で暴れて私を虐待しても、誰も救ってくれない。警察sだって助けてくれなかった」(母子世帯・20代女性)
その家庭が貧困なのに▷その中での解決はない▷その中で貧困の連鎖となる▷社会から放置▷解消はない!
⑤どんな支援が必要なのか
・民間の支援は何処まで有効か?/知識の欠如が二次被害を生む
・変わっていく「子ども食堂」は支援になるか/貧困支援→地域活動へ
・「支援しにくい人」こそ支援が必要
⑥なぜ「貧困」になってしまうのか
「こどもの貧困」の背後にあるもの
・ひとり親家庭の現状を分析する。
・女性が働いても貧困削減効果ない。
悲惨でなければ貧困でないのか?貧困と言えばアフリカの飢餓状態を思う。