次に、コンサートホールへと移動する。観客席は1560。
[伝統工芸である九谷焼の陶板で飾られた壁面]
県立音楽堂は、オーケストラ・アンサンブル金沢が本拠地としている。常設のプロフェッショナルの管弦楽団としては、日本で最初ということである。
月二回程度は、ゲストを招いて、県立音楽堂でコンサートを開いている。
廊下には、楽器の展示などがショウケースの中に飾られていた。音楽監督を務めた岩城宏之氏の銅像もあった。
大ホールのスケジュールはびっしり入っている。
車イスのスペースが、広くとってある。
パイプオルガンは、ベルリンフィルの常設劇場に設置されているものと同じとの説明があった。
舞台にあがり、演奏者からの視点で客席を見る。
観客の目線が一斉に演奏者に向けられている状況を実感する。そんな思いに演奏者をさせるホールは大事だと思う。
大ホールのホワイエ。
ホワイエから駅前広場を望む。
大屋根が、駅前広場を包んでいる。
雪の多い地域ならではの、おもてなしということである。
[JR駅改札側から、県立音楽堂入口を見る]JR駅の地下改札からは、雪にも雨にも日照りにも遭わずに、劇場へと行ける。交通の利便性が良いことが、石川県だけでなく、近隣県や関東圏からの利用も可能としている。
[劇場の入口からJR駅改札方面を見る]
ホールなどの見学後、視聴覚資料室で、改めて説明を受けた。
石川県が直接運営を行っていたが、現在は指定管理制度で、(財)石川県音楽文化振興事業団が行っている。
ホール・舞台を直接動かしているのは、指定管理者の委託を受けた、舞台専門のプロ集団。この事業者は、石川県全域の舞台・ホールの管理運営をかなりの数行っていると座員の方から伺った。
大ホールでも小ホールでも、そこで演じる芸術家が全力を出せるよう、支える側もプロ集団出なければならないのは至極当然のことだ。
横浜市にも、芸術ホールをとの構想がある。ただ、箱ものがあればいいというものではないと思う。
何故劇場が必要なのか。それは、演じるバレエ団がそこにあり、観たい観客がいるということ。箱をつくるということが目的となれば、どうやってそれを満杯にするか、興行的に成功できるかということに力が注がれて、市民にとってのバレエを楽しむとかバレエをしたいとかが育っていく環境を作ることは、二の次にならないだろうか。
私も、バレエ公演が行われる劇場が横浜にもあればいいと思うが、本物にするには、横浜にバレエ学校をつくれるのか、バレエ団をつくるのかということも、本気で考えなかればならないと思っている。
芸術を市民が生活の一部に取り込んでいけるような取り組みは、まずこどもたちにとっての環境づくりだと思う。
人形劇やこどものための映画などが、無料かもしくは低価格で楽しめる場所が、必要だと思っている。そこで演じる人たちの生活が成り立たなくてはならないので、予算をしっかりつけなければ実現できない。
文化予算を箱ものつくりからソフトへ人材へとシフトすることが必要だと思う。