米軍横須賀基地(横須賀市)に配備されている米イージス駆逐艦「ミリアス」が、三菱重工業の横浜製作所本牧工場(横浜市中区)で4月19日から5月10日まで定期整備を受けた。
基地外の民間施設で米艦船の整備が行わるのは過去に例がない。
報道によると、在日米海軍司令部は、今回の整備について、米海軍の即応性を支えるため「米艦船の修理や改修を行う施設を米軍基地外に広げる新たな取り組みの一環」と明言。
この計画に基づく1隻目が、今回のミリアス整備。民間の造船所を対象に入札を行い、三菱重工業が落札。
新たな基地機能拡大はダメ!
中止を求める緊急申入れ
日本共産党横浜市議団(9人)は、4月25日、林文子横浜市長宛てに「米艦船の市内造船所における「整備」中止と情報の市民公開を求める申し入れ」を緊急に行った。
申入れで、あらき由美子団長は、「これは、民間施設の米軍の軍事施設化に他ならず、市内に新たな基地機能を広げることになる」と指摘。市として整備中止を国、米軍に求めることを提案。
安全面に不安があってはならない国に丁寧な説明求める…市回答
5月8日、市から回答が届いた。
「今回の市内民間造船所における米艦船の整備をはじめ、わが国の安全保障に関わることについては国の専管事項ですが、本市としては、市民生活の安全面に不安があってはならないという観点から、引き続き国に対して丁寧な説明を求めていきます」
ミリアスは整備を終え、10日に横須賀基地に戻っています。
平和への脅威無くす流れを
安保法制によって、軍事力増強と日米の軍事同盟の強化が顕著となっている。
ノース・ドック(神奈川区)での日米合同訓練の日常化はその一つ。私は、米軍のオスプレイが陸揚げされ、さらに組み立てられて、横田基地へと飛行する現場に立ち会ったが、ノースドックの基地機能強化が、強引に進められていると実感した。
自衛隊の護衛艦いずもの「空母化」は、建造された市内のIHI工場で行われる見込み。
そこに今回の米軍の行動が加わり、市民の安全と平和にとって脅威が増すばかり。市内経済の軍事化・兵器産業化も看過できない。
横浜市国際平和の推進に関する条例を全会一致で通した議会の姿勢は
2018年5月、横浜市会は、横浜市国際平和の推進に関する条例を制定。
同条例を遵守する立場を堅持しすることが求められる。
党市議団は、国と米軍に対しても、二度と民間施設での米艦船の整備をしないよう、国会議員団と連携して、働きかけていく。