12月11日(水)、横浜市議会では、会派代表の一般質問が行われました。日本共産党横浜市議団からは宇佐美さやか議員(神奈川区選出)が登壇。敬老パス、新たな劇場整備、中学校給食、カジノ誘致をとりあげ、林文子市長を追及した。
依存症が増えるほど儲かるカジノの本質を分かっているのか
宇佐美議員は、オーストラリアのIR型カジノは、重症のギャンブル依存症患者がつぎ込んだ「かけ金」がカジノ売り上げの6割以上を占めていることを示し、カジノ入場者のギャンブル依存症が進めば進むほど利益が上がるというカジノの本質に対して、市長の認識をただした。
シンガポールIRは外国人が対象で、日本型IRと根本的に違う
また、市長がカジノ成功例として挙げているシンガポールは、公権力による国民管理、監視という特別な環境があって成り立っていると述べ、基本的人権の尊重を憲法の原則とする日本では、到底考えられないと主張。さらに、シンガポールのカジノ客のほとんどが外国人であり、そもそも日本人をターゲットにした日本型IRカジノとは全くの別物だと指摘。シンガポールを成功例として持ち上げることは、市民に誤解を与えるだけだと批判。
韓国カンウォンランド・カジノの惨状を直視せよ
また、10月に党市議団が視察した韓国で唯一自国民が入れる「カンウォンランド・カジノ」では、開業から20年間で、少年犯罪の増加や人口減など様々な社会問題が噴出し、周辺の町は荒廃していると述べ、カジノに依存すれば、街は壊れ、衰退するリスクが極めて大きいと警告。
40年間におよぶ実施期間
責任をもてないことはやるな
その上で、現在、横浜市がカジノ事業者へのコンセプト提案の募集要綱では、実施期間を40年間としていることから、一度誘致すれば、カジノの弊害があらわになっても、簡単には後戻りできなくなると指摘。長期間にわたって横浜に負の影響を及ぼすことへの責任を、林市長が持てるはずがないと述べ、自分で責任をもてないことはやめるべきだと迫った。
林市長は、日本型IRは世界最高水準のカジノ規制が施されている。国や県、関係機関と連携して依存症、治安対策を検討していく。シンガポールは観光・MICEが素晴らしいから海外から人を集めることができたと考えている。人口減少と超高齢化社会の進行が厳しさを増すことから、税収増の一つとして、IRを誘致したいと考えているなど、質問したことにまともに答えず、自論を展開するだけだった。