日本政府が国連人権委員会に提出した報告について、今年 7 月 23 日に開催された第 3091 回及び第 3092 回会合において、人権委員会で採択された総括所見を読みました。
日本政府は、人権に関わる日本の現状について、国連の人権委員会から、「遺憾に思う」「懸念をもって留意する」などと指摘されているのです。
日頃から問題と思っていることは当然人権委員会でも取り上げられていましたので、改めて報告したいと思いました。
まず、ジェンダー平等 についてです。
「女性に離婚後6か月間の再婚を禁止し、男性と女性とで異なる婚姻最低年齢を設けている民法の差別的条項の改正を、『婚姻制度や家族の基本的考え方に影響を及ぼしかねない』ことを理由に、拒絶し続けていること」
「 女性がパートタイム労働力の 70%を占め、同等の仕事をする男性が受け取る給与の58%しか得ていないとの報告」
「セクシュアル・ハラスメント及び妊娠・出産による女性の解雇に対する罰則措置が欠如していること」
以上のような状態について日本政府に懸念を表明しています。また、
「女性をフルタイムの労働者として採用することを促進し、男女の賃金格差を縮める努力を倍加させるべきである。」
「セクシュアル・ハラスメントを犯 罪とし、妊娠・出産による不公正な取扱いを禁止し、適切な罰則を伴う制裁をするよう、必要な立法的措置を講ずるべきである。」
と厳しい指摘がされています。
次に、ジェンダーに基づく暴力及びドメスティック・バイオレンスについてです。
「刑法における強姦の定義の範囲の拡大、性交同意年齢を13歳を超える年齢に設定すること、及び強姦罪や他の性犯罪を非親告罪とすることをまったく進展させていない」
また、「ドメスティック・バイオレンスが依然として蔓延しており、保護命令発令までの手続きに時間がかかりすぎ、及び、処罰された加害者の人数が非常に少ない」
さらに、「同性カップル及び移住女性に不十分にしか保護が提供されていない」
これらのことについても懸念が表明されています。
本当に本気で考えて!と改めて思いました。
*非親告罪とは、被害者の告訴を経ることなく公訴を提起できる犯罪
広辞苑に「親告罪=検察官が公訴を提起するに当り、被害者その他法律で定めた者の告訴または請求があることを必要とする犯罪。強姦罪・親書開披罪の類。」とあります。