みわ智恵美

三輪 ちえみ
日本共産党横浜市会議員
まあ、聞いてください

人は自然と触れないと感覚が鈍くなる。感性がなくなってしまう!

2015年10月20日
神奈川文化賞を受賞された養老孟司さんのお話が神奈川新聞に載っていました。「解剖学の域を超え活動」というタイトルでしたが、講演会などで自然と接する大切さを訴え続けていらっしゃるということ。
「人は自然と触れないと感覚が鈍くなる。感性がなくなってしまう」都市生活者は1日15分でいいから自然に触れてほしいと話されていました。
 
この養老さんの願いとかけ離れた事件が、この記事のとなりのページに、亡くなってから7年後に発見された厚木市の理玖くんのことが載っていました。
被告である父親が、「ご飯をあげているんだから我慢してね、という気持ちだった」と部屋の中にとじ込めていたという記事に、寂しかったね、悲しかったね、苦しかったねと、思っても思っても苦しくて悲しくて、なんとかできなかったのかと何度も何度も思いました。
こどもは自然の一部といわれます。それなのに、部屋の中に、ただ食べる物だけを待ってじっとしていた理玖くん。
理玖くん3歳のとき妻が姿を消し、「育児がどういうものかわからなかった」被告。保育園は探したのですがトラック運転手という勤務との関係で諦めています。被告は、理玖くんにパンとおにぎりと水だけを与えていたということです。栄養の偏りを指摘されると「毎日必死で頑張っていたので頭が回らなかった」と答えています。生活困窮で、電気、ガス,水道全てが止められていました。
二度とこのような事件を起こさないためにも、一つは、教育の果たす役割の重要性を思いました。
こどもは社会の宝、親だけのものではない。困ったら、悩んだら、いつでも、みんなが力を出してくれるんだという社会への、行政への信頼感を持ってもらえるような教育そのものが必要だと思いました。
そして、それを機能させる国や自治体である事。
横浜市の児童相談所の数は、国の基準からみても、個所数で今の倍は必要です。
厚木市でも、児童相談所は2004年に理玖くんの家の家庭訪問の方針を決めていますが、実施したのは4年後ということです。
自己責任論は、害悪です。命をも奪うということをこの事件からも思います。
父親である被告は、理玖くんが生まれてすごくうれしくて、休日は公園に連れて行き、夏は海、冬はスキーに家族で出かけていたのに。その思いを、応援できる社会でなければと。本当に残念です。
 
 

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