NHKBSプレミアムで放映している「刑事フォイル」をご存知だろうか。
今夜初めてみた。そのタイトルは「侵略」前編。
第2次世界大戦中のイギリスの刑事の姿を描いたドラマであることは知っていたので、「侵略」ってドイツ?と思ったが、そうとは言えないと感じた。
ナチスドイツの爆撃を受けているイギリスがアメリカに援軍を頼んだ中で、イギリスの地方都市に(フォイルがすむ街)ナチスに対抗できる米軍基地をつくっていくことになる事態がドラマの導入部。
100年前から広大な農地で農業を営んでいる男性は、ずかずかと米軍基地を建設しようと敷地に(米軍はイギリスの陸軍省から許可を得ている)何台もの車で乗り込んできた米軍に腹を立てる。
「出て行け!ここは私の土地だ!」と繰り返し大声で怒鳴り銃を構える。
腹を立ててとうとう散弾銃で車のフロントガラスを撃ち威嚇する。
「出て行け!」このセリフは、米軍に先祖代々の土地を取られた沖縄の人々の思い、ベトナム、イラクの人々の思いを想起させる。
代弁しているのではないかという気さえした。
米軍の将校は「真珠湾攻撃があるまで、参戦に賛成ではなかった」と語る。
若い米兵たちも、自分の国を守るのでもないのに、イギリスまで連れてこられたという不満がある。
日本はアジア太平洋戦争を実行していた時代、ナチスと手を組んでいた。そのナチスが戦火を広げるヨーロッパ戦線の状況を、アメリカやイギリスの庶民の目線で描いていて興味深い。
来週の後編も気になる。原題は「Foyle’s War」。