今日は、名護市消防本部の新庁舎移転について調査。
横浜市消防本部庁舎と保土ヶ谷消防所の新庁舎建設が予定されているなかでの調査である。
名護市消防本部は、今年の6月28日に落成記念式典を行い、7月1日から運用を開始したばかりである。
庁舎に着いたと思ったら、Dr.ヘリが到着したということで、患者搬送のため、エレベーターの使用が一部制限された。
階段で、3階の会議室に移動したが、まだ、屋上ヘリポートにDr.ヘリがいるということで、屋上にさらに移動。
すぐそばに高圧線の鉄塔と高圧電線がある。
ヘリの飛行は、垂直に浮き上がり、バックし、向き変え飛び立っていった。
屋上のヘリポートには、侵入方向と飛び立つ方向が示されている。
ヘリポートは、コンクリートでの整備ではなく、アルミでつくられていることが説明された。
一時期は建設費がかかるが、コンクリートでは、剥がれたりなど修理を度々行うこととなるが、アルミでつくるとメンテナンスフリーであると。
そして、強度を保てるので、7トン対応ができたと話された。
会議室に戻り、説明を受ける。
2011年3月11日に発生した東日本大震災を教訓として、消防本部が地域防災拠点という役割を果たすために、海抜3.1メートルの低地に所在していた消坊庁舎では、大規模災害時に消防の機能自体が失われる危険性が高いため、市内の高台に移転する「消防庁舎建設事業」が開始されたとのこと。
新たな消防庁舎を建設する上で、決められた基本方針。
①消防本部の消防力を最大限に発揮し、あらゆる災害への即応体制を確立することが可能な施設であること。
②平時から防災についての啓発機関としての機能を備えた施設とする。
2014年3月の名護市議会定例会で、建設候補地として。、大北地内の海抜25メートルの場所に決定された。
建設にあたっては、耐震性などについては十分に実行したが、備品などについては財政的に厳しく十分にはできないので、前の庁舎から持ってきて活用しているとのこと。
名護市には広大の米軍基地があり、名護市経済の発展を阻害している。
返還された地域の経済効果は、基地交付金の何十倍もの結果を出していると、財政的な厳しさをもたらしている基地の存在を語られた。
説明を受けた後、庁内を視察しながら説明を受ける。
作戦室。消防本部の災害活動の指揮統括及び情報収集である統轄指揮本部スペース。
サーバー室。市役所より耐震性が高いので、ここに名護市のメインサーバーを持ってきた。
米軍基地での火災などがあった場合は、要請がない限りは出場はしないが、先日の民有牧草地への米軍ヘリ墜落での炎上事故は出場したとのことだ。
女性の宿直室。男性も仕様は同じ。3交替なので3人で一部屋。
女子休憩室。居室内は新しいが、ロッカーなどはかなり使い込まれたもの。(写真では見えていない)
宿直室だけでなく休憩室があることについて、同行の横浜市消防局職員からも休憩室は必要ですねと。こちらは男子休憩室。
一緒に休憩を取れるということは、チームワークとしても大事なことだと私も思う。
地震・津波・風水害と火災以外にも多くの災害に対応していること。
LPガス対応の訓練室も備えた。
ヤンバルの森がありガケ地なので、ガケ地対応の救助訓練のための模擬ガケをつくった。
水難事故にも対応する。ジェットスキー。
続いて名護市防災研修センターを訪問。
名護市では、地震も台風も津波も火災以外に災害があるということで,様々な場面についての学習ができるようにしている。
約50分で、一通りの学習ができるようにしてあると。
2008年の100年ぶりの地震では震度4だったとのこと。
また、1771年の八重山地震では、85.4メートルの津波があり、巨岩が打上げられていると、映像での説明。
地震体験や、煙からの避難、水害にあって車から逃げ出せない体験学習をした。
映像と説明とクイズで、こどもたちにとっても分かりやすいと思った。
名護市消防局の皆様、ありがとうございました。
辺野古の海の埋立てで、新しい米軍基地を政府が強引にすすめようとしている名護市であるが、米軍基地があるのは、市の西側の大浦湾側で、消防庁舎がある市街地側は、市の東側である名護湾に面しているため、米軍基地はまるで感じられない。
それでも、名護市の市民のための豊かな自然が、政府と米軍によって踏みにじられている事態には、あらためて怒りを覚えた。
名護市の観光をしっかりとすすめていくためにも、新たな米軍基地は絶対にいらないと思った。
参考:横浜市における新庁舎の建設
保土ケ谷消防署は、2016年~2017年度 基本設計・実施設計。2018 ~2019年度 工事、竣工予定。
そして、消防本部庁舎は、保土ケ谷区総合庁舎の敷地の一部を分割して使用する予定だが、想定している延床面積:約 15,000 m²。
2017~2019年度 基本設計・実施設計。 2020~2024年度 工事、竣工となる。今後の検討状況により変更する場合もありとされている。
①大規模災害時にも消防機能を継続発揮できる庁舎ー災害対応能力の向上を図る。
・発災直後から十分な本部機能の発揮と機能継続を可能とする。
・先進の指令システムを駆使する。
・高度な情報処理及び迅速な意思決定ができる諸室の整備。
・緊急消防援助隊と連携した災害活動を行うための情報提供や調整 を行う諸室を設置。
・機械室等を上層階配置とする浸水対策をとる。
・「免震構造」等の採用で、重要機器等の安全性を高め、災害発生時から消防本部機能が継続して十分に発揮できることが期待できる。
②安心・信頼を実感できる庁舎
・「司令センター」等の視察、消防科学研究室の一般公開で、市民の皆様に「消防」を身近に触れてもらうことで、火災予防等に関する啓発とともに「生活の安心感」を実感できる機能を持つ。
・消防団、自主防災組織等との情報共有や集合研修で連携の強化をし、防災意識を高め、具体的行動へつなげていく効果が期待できる。
また、現 保土ケ谷消防署は、2018年度からの 解体設計、解体工事、解体完了となっている。